パリに住み始めたきっかけは、

東京から取材で何回かこの街を訪れるうちに

「ここに住んだら面白そう…」と思ったのがその理由で

他に大した意味はなかった。

 

その頃コンサートの撮影で

ワールドミュージックの音楽に触れることが多かったのも

その気持ちに拍車をかけた。

 

アラブ人街のカセット屋から流れてくる

ライミュージック、ラジオからはラップ、レゲエ、ミュゼット、サルサ、アフリカ音楽…

 

街中のクラブやカフェでは様々な種類の音楽が演奏されていて

それは東京の比ではなかった。

 

実際、ここに住み始めてこういった場所に足を踏み入れると、

ここで出会った人たちがカッコよくて、

「写真を撮らせてもらっていいですか?」と

おずおずと頼んで彼らの写真を撮っていた。

 

フランス人もカッコいい人はいたけど、どちらかといえば、

他の国からパリに来た人達の方に私は惹かれていて、

気がつくと私の写真はパリの街中やクラブで出会ったパリの外国人が圧倒的に多かった。

 

西アフリカ、マグレブ諸国、キューバ、コロンビア、アンティーユ諸島、etc…

彼らの音楽と文化、料理はいつも私の手の届くところにあった。

 

この街で色んな文化に出会えて本当にラッキーだったと思う。