人には自分と相性のいい土地や
何だか分からないけど惹かれる場所というものがあるらしい。
私の場合は南の国に行くと気分が昂揚し、幸せな気分になることが多い。
モロッコは強烈な光と影、人懐っこい人達、伝統料理のクスクスやタジン、
そのどれもが魅力的だったが、
一番ワクワクしたのはスーク(市場)だった。
解体されたばかりの肉、様々なスパイス、ハーブ、
これらの渾然一体となった匂い。
特にクミンの匂いは強烈でモロッコに来る度にこの匂いを嗅ぐと
「ああ、またモロッコにやってきた!」と嬉しくなる。
匂いというものがこんなに人の感情を揺さぶるものだということを
モロッコで初めて知った。
私は自然よりも街の雑踏を写真に撮りたくなる方なので、
ゴチャゴチャした迷路の続くフェズや
生活が外に出ているモロッコのメディナ(旧市街)に惹かれるのかもしれない。
勿論、埃をかぶったウインドーも…。
でもどうしてモロッコの写真を撮りたいのか本当はよく説明できず、
私はそれを知りたくて写真を撮っているのかもしれない。
撮影地
SAFI、ESSAOUIRA、TANGER、FÉZ、MARRAKECH、TAROUDANNT、ASILAH