植草甚一さんという人の本を初めて読んだのは1970年代のことだから、もうずっと
ずっと昔のこと。映画、ジャズ、ミステリーといったジャンルの評論を独特の文体
でいろんなメディアに書いていた人だ。最近何十年か振りに彼の本をめくっていたら、
かっこいい写真が目についた。彼が晩年、ニューヨークを旅した時のスナップで、
この植草さんはファンキーなお爺さんという感じ。
ニューヨークを心から楽しんでいるよう。
(この人はニューヨークに行った事がないのに誰よりもニューヨークを知っている。と云われていた)
今だってこんなかっこいいお爺さんはそうざらにはいない。
でもこの人、昔は東宝に勤務していて、その時の写真を見たことがあるけど全然
イメージが違う。背広を着てどっしりとした重役タイプ風。
私はどうして人がこんなに変身できるのか不思議でしょうがない。
痩せたのでファッショナブルな洋服が似合うようになったからかもしれないが
こんなに変貌してそれがぴったりと決まる人は本当に珍しいと思う。
世界中には、女の人でファンキーなお婆さん(ここではファッションの意味)
もいるかもしれないけど、女の人でそれが自然に見える人は、なかなかいない。
キワモノ的な感じで浮いてしまう。
お爺さんだとサマになることが、どうしてお婆さんさんだと難しいのだろう?
ずっと考えているけど結論はまだ出てこない。
コメントを残す